あとがき

 ここまで読んでくださりありがとうございます!
「本当はサラ・ザール・スリザリンとかいう魔女だったんじゃねえの?」
 この話を書くにあたり最初に浮かんだのはこの台詞でした。これを誰に対して言っているのか考えて、スリザリンにこだわりのあるリドルにするのが面白そうだ。この台詞が出てくるには夢主が秘密の部屋が女子トイレにあることを知っている必要がある。ならば原作知識ありトリップにして、リドルと夢主が秘密の部屋について話す状況っていったい……? というふうにできたのが「召喚の魔法一回目リドル」です。(後で「召喚の魔法」から「ハリポタ世界に悪魔として召喚されたんだがどうしたらいい」に改題しました。その後また、タイトルが長すぎるので「ハリポタ世界に」を削って今の形に落ち着きました)
 手軽にトリップできるこの設定を気に入って、他に召喚しそうなのは悪戯仕掛け人とドラコかなと続きもできました。ハリーは悪魔の召喚なんて明らかに闇の魔術に属するようなものに遊びでも手を出しそうにないですし、悪魔に頼るなんてしないでしょう。
 シリーズ中で一番の難産だったのは「四回目ドラコ」です。「一回目リドル」を書いたのはサイトを作る前、約十年前のことでした。悪戯仕掛け人とシリウスの話もその頃に書き終えてます。ドラコの話もその勢いで書き出したのですが、力不足で最後まで書けずに数年放置。そのうちに『呪いの子』が発売されて、当時考えていた結末が使えなくなりました。全七巻完結を前提にした、続編のことはまったく考慮しないというか続編が出るという情報すらなかった頃に考えた結末でしたから。それになにより、行って帰ってくるトリップなのだから、夢主の原作知識をアップグレードして『呪いの子』編を書きたいという気持ちがありました。(続編が出る前に書き切ればよかったという後悔も多少ありましたが)
 サイトに公開してから幸せなことに感想をたくさん頂きました。「四回目ドラコ」が書けないあまり「三回目シリウス」で完結にしていいんじゃないのという諦めの気持ちになることあったのですが、その度に頂いた感想を励みに、今は書けなくてもいつか書き上げようとやる気を繋ぐことができました。本当にありがとうございました。